No25. 家は取り壊したほうが得か、残した方が得か?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
不┃動┃産┃ニ┃ ュ┃―┃ス┃
━┛━┛━┛━┛ ━┛━┛━┛
No.25 【家は取り壊したほうが得か、残した方が得か?】

「固定資産税は土地だけではなく、家にもかかるのだから、壊して更地にしたほうがいいのではないか」一方では、「家を取り壊して更地にすると固定資産税が6倍に増える」といった話をよく聞きます。今回は、空き家や空き地にかかる税金について考えて見ましょう。固定資産税と都市計画税の基となるものは「固定資産税評価額」に一定の税率をかけて算出されます。固定資産税は1.4%、都市計画税は上限0.3%となっています。固定資産税評価額は「固定資産評価基準」に基づいて決められます。所有する土地の地価の約70%、家屋は新築時の請負工事額の50~60%が目安となっています。家屋は築年が古くなれば評価額は下がっていきます。
 居住用住宅の場合は、家が建っていることを条件に「住宅用地の特例」があり、土地の固定資産税評価額を200㎡までを1/6、それ以上の部分を1/3に低く評価してくれます。また都市計画税は200㎡までを1/3、それ以上は2/3の評価額になります。土地と家の固定資産税評価額がそれぞれ2000万円(敷地は180㎡)と500万円だとすれば42.5万円となりますが、この特例を当てはめるとなんと約15万円となります。では、家を取り壊すとどうでしょうか。住宅用地の特例は使えなくなり、34万円となります。家にかかる税金は無くなるが、家があるときと比較して約19万円高くなります。しかも家の解体費用がかかりますから、家を壊すと金銭的な負担が多くなりますから、そのまま放置することとなり、ますます空き家が増加して深刻な空き家問題が生じています。
ではどんな場合でも更地にしたほうが税金が高くなるかといえば、そうではありません。
注意するポイントは家を取り壊すと土地が「非住宅用地」となり、固定資産税は「住宅用地」のときの5倍強になる点です。
 土地と建物の税金のうち、建物の割合が比較的多いと、更地にしたほうが税金が安くなる場合が多いようです。建物が新築から年数があまり経過していない、構造がSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、RC造(鉄筋コンクリート造)であったり、建物の延床面積が非常に大きかったりすると、建物の税金が高くなりますので、更地にしたら税金が安くなる場合があるでしょう。しかし、築年数が経過していなければ、まだリフォームして快適に住めるとか、構造がSRCやRC造であれば、解体費用が高くなり、もちろん建物が大きければ、これも解体費用が高くなります。
 よって税金を安くすることだけを目的とせずに、全体の費用と今後、何年間での費用なのかを考えることが大切です。そして活用方法も、ご自身で考えるだけではなく、不動産会社にも相談してみましょう。きっと色々な活用方法やアドバイスをもらえると思いますよ。