NO.44 移住相談の傾向と移住希望地ランキング

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが、2020年の国内移住相談の傾向、移住希望地ランキングを発表しました。

今回は、2020年1月から12月末までに、ふるさと回帰⽀援センターの窓⼝の利⽤者と、主催・共催セミナー・相談会等参加者の延べおよそ7,606件の回答を元にデータがまとめられています。

窓口相談では、全ての年代からの人気が高かった静岡県が1位。2位に山梨県がランクインしました。静岡県は、全世代で人気が高い地域となっており、その理由は、首都圏との近さと、交通の利便性の良さです。新幹線はもちろん、高速バス等での移動もしやすいことが支持されているようです。また、一年中過ごしやすい気候で、雪に悩まされることがないのも魅力のひとつのようです。また、豊かな自然も魅力なのが2位の山梨県と3位の長野県です。交通の利便性の良さに加えて、身近に自然が感じられるのが魅力です。都市部と自然の近さやによってライフスタイルをすべて変える移住から、週末移住(二拠点・多拠点)先としてなど、県土の広さを活かして、多様なスタイルを受け入れられることが人気の背景にあるようです。注目は9位に神奈川県、10位に群馬県、12位に茨城県、13位に栃木県と、首都圏により近いエリアがランクアップしています。在宅勤務やテレワークが増えたことをきっかけに、これまでは職場へのアクセスを重視していた人が、仕事を変えずに、引っ越しに近い感覚での移住希望が増えたと考えられます。東京勤務の方の住まいの概念がさらに拡張したことは、大きな特徴と言えます。

セミナー(オンライン)参加者では、和歌山県が1位、2位広島県、3位佐賀県と、首都圏メインだった相談者の居住地が近畿圏・中部圏へも広がり、居住地に左右されることがなくなりました。3県はいずれも西日本であり、それぞれ、移住への入り口として気軽に参加しやすいオンラインイベントを多数開催し、「しごと」「すまい」といった、移住者の関心事だけでなく、地域の食材や地酒、謎解きなど様々なテーマによる集客に成功し、首都圏以外からの参加者が増えました。

テレワークの普及によって、「転職しない移住」が実現しています。移住のネックとなっていた仕事の問題が解決したことで、2020年の移住希望者は大きく増えました。「1年以内の移住」希望が前年より6.1ポイント増加したほか、移住希望先に「地方都市」を挙げる割合は68.5%と根強い人気になっています。弊社への不動産購入の問い合わせも県外の方が随分増えてきています。

テレワークとオンラインセミナーの普及により、あらたな地方移住が加速化しています。それに伴い自治体の移住促進も、オンラインでのセミナーや移住相談を積極的に行った自治体は移住希望者の関心度に大きく影響しています。まずは地方移住という取り組みを知ってもらい、的確なメッセージを伝えることで、より満足度が高く、継続する地方移住が可能になるでしょう。