古い家を処分するベストな方法は?

「相続した実家が空き家のまま」「古くて住めない家をどうにかしたい」「固定資産税だけ払い続けている」――そんな“古い家”の処分は、多くの方が直面する悩みです。
ただし一口に「処分」といっても、売る・貸す・解体する・寄付する・国の制度を使うなど、状況によって最適な方法は変わります。さらに、古い家は建物の価値よりも土地の条件(立地・形・接道・規制)で結果が大きく左右されます。
この記事では、「古い家」「処分」で調べる方が迷いやすいポイントを整理しながら、処分方法と費用相場、事前に確認すべきことを分かりやすくまとめます。
■古い家の処分方法
古い家の処分方法は、大きく分けて次の7パターンです。ご自身の状況に近いものから検討すると判断が早くなります。
1)現状のまま売る(古家付き土地・中古住宅として売却)
最も一般的で、まず最初に検討したい方法です。建物が古くても、「古家付き土地」として売れるケースは多くあります。買主様は「リフォームして住む」「解体して建て替える」など、目的に合わせて判断されるため、売主様が先に解体する必要がない場合もあります。
向いているケース
◎立地が良い(駅・学校・商業施設が近い)
◎住宅地で需要がある
◎建物が“住める状態”またはリフォームで見込みがある
◎早めに現金化したい
注意点
◎雨漏り・シロアリ・傾きなどの不具合があると、売却条件や価格に影響する可能性があります。
◎売却後のトラブル防止のため、契約内容(現状有姿・告知事項)を丁寧に整理することが重要です。
2)解体して更地で売る(更地売却)
「建物が危険」「買主様が解体費を負担することを嫌がる」「土地としての需要が強い」場合に有効です。更地にすると見栄えが良くなり、買主様が住宅ローンを組みやすくなることもあるため、売れやすくなるケースがあります。
向いているケース
◎建物の傷みが激しい(雨漏り・腐食・倒壊リスク)
◎建替え目的の購入が多いエリア
◎間取りや築年数の古さで中古住宅としての需要が弱い
注意点
◎解体費が先に発生します。
◎更地にすると固定資産税が上がる場合があるため、売却までの期間想定が大切です。
3)買取(不動産会社に直接売る)
「すぐ手放したい」「荷物が多い」「近所に知られずに進めたい」「契約不適合責任のリスクを減らしたい」など、スピードと確実性を重視する場合は買取が選択肢になります。
仲介より価格が下がる傾向はありますが、条件次第でメリットが大きくなります。
向いているケース
◎相続後の手続きが多く、早期に整理したい
◎遠方に住んでいて管理が難しい
◎近隣トラブルや建物状態に不安がある
◎現状のままで手放したい
4)空き家として賃貸に出す(戸建賃貸)
処分は売却だけではありません。賃貸で収益化し、将来的に売却する方法もあります。
ただし古い家は修繕が必要になりやすく、初期費用と継続的なメンテナンスの覚悟が必要です。
向いているケース
◎立地が良く、賃貸需要が見込める
◎すぐ売りたくない(思い出の家、将来使う可能性がある)
◎修繕・管理の体制を整えられる
注意点
◎リフォーム費用、設備交換、入居中トラブル対応が発生します。
◎空室リスクや、老朽化による追加修繕が起こる可能性があります。
5)相続した共有名義を整理してから売る(名義・遺産分割後の売却)
相続物件で多いのが「兄弟姉妹で共有になって動かない」ケースです。名義・遺産分割・代表者決定が進まないと売却が止まるため、処分の前に“権利関係の整理”を最優先にする必要があります。
向いているケース
◎相続人が複数いる
◎遠方の親族がいて話がまとまらない
◎まずは売却方針を決めたい
6)寄付・譲渡(無償譲渡を含む)
「売れない」「管理できない」場合に検討されますが、実務上はハードルが高めです。受け手側にも税金や管理負担が発生するため、自治体や法人が必ず受けてくれるわけではありません。それでも、立地や用途によっては可能性があります。
7)国の制度を使う(相続土地国庫帰属制度など)
一定の条件下で、相続した土地を国に帰属させる制度があります。ただし建物がある場合は原則として対象外になりやすく、解体や条件整理が必要になるケースもあります。「どうしても引き取り手がない」場合の最終手段として知っておくとよいでしょう。
■古い家の処分にかかる費用の相場
処分には「売却時の費用」「解体や片付けの費用」「税金」の3つが関わります。ここでは目安をまとめます(※物件条件や依頼先で変動します)。
1)仲介で売る場合にかかる主な費用
◎仲介手数料:売買価格に応じて発生します(法律で上限があります)。
◎印紙代:売買契約書に貼付します。
◎抵当権抹消費用(住宅ローン残債がある場合):司法書士費用+登録免許税がかかります。
◎測量費(必要な場合):境界が不明確だと求められることがあります。
◎建物状況調査(任意):不安がある場合に実施します。
※土地境界や古い家の状態によって「測量」「解体」「残置物撤去」の有無が価格と期間に直結しやすい傾向があります。
2)解体費用の相場(目安)
◎木造:1坪あたり4~6万円前後が目安です。
◎鉄骨造・RC造:木造より高くなりやすいです。
◎付帯工事(ブロック塀、庭木、浄化槽、アスベスト調査等)で増減します。
たとえば30坪の木造なら、120〜180万円前後が一つの目安です。立地(重機が入るか)、道路幅、廃材の種類によって大きく変わります。
3)残置物(家財)の片付け費用の相場
残置物の片付け費用は、量と搬出条件で大きく変動します。目安としては数十万円〜になることが多いです。「遠方で立ち会えない」「大型家具が多い」「庭や物置がいっぱい」などの場合は、費用が上がりやすくなります。
4)税金(売却益が出た場合)
売却で利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税の対象になる可能性があります。一方で、相続した実家などは特例が使える場合もあるため、税理士や不動産会社と一緒に確認すると安心です。
■処分方法を選ぶ前に確認すべきこと
「何を選べば得か」を考える前に、次の点を押さえると失敗しにくくなります。
1)名義と権利関係(相続・共有・抵当権)
◎名義が故人のままの場合、原則として売却できません。
◎共有名義の場合、共有者全員の合意が必要になります。
◎ローン(抵当権)が残っている場合、抹消条件の整理が必要です。
まずは登記簿を確認し、誰の名義で、どのような権利が付いているかを把握しましょう。
2)土地の条件(接道・境界・再建築の可否)
古い家は建物より土地が重要です。特に以下は要チェックです。
◎再建築できる土地か(接道条件を満たすか)
◎境界が明確か(隣地とのトラブル予防)
◎擁壁・がけ・浸水想定などのリスクがないか
ここが曖昧だと「売れない」「値引きが大きい」「時間がかかる」原因になりやすいです。
3)建物の状態(雨漏り・シロアリ・傾き・設備)
売却時のトラブルは「聞いていない不具合」から起きやすいです。分かる範囲で現状を整理し、必要に応じて専門家に簡易チェックを依頼するのも有効です。
4)残置物と管理状況(空き家のまま放置していないか)
空き家は放置すると一気に劣化が進みます。
◎雑草・害虫・雨漏り
◎近隣クレーム
◎防犯リスク
「売る」と決めたら、最低限の換気・通水・除草だけでも効果があります。
5)“急ぎ度”と“手元資金”
◎すぐ処分したい場合は、買取や現状売却が向いています。
◎できるだけ高く売りたい場合は、仲介+整備(片付け・軽微修繕)が有効です。
◎解体費を先に出せるかどうかは、更地売却の可否に直結します。
この2つ(時間とお金)を整理すると、最適なルートが見えやすくなります。
■中古住宅の売却に関するご相談はマエダハウジング不動産へ
古い家の処分は、「売る」だけでなく、解体・片付け・相続・境界・税金など複数の論点が同時に動きます。だからこそ、最初に状況整理をして“遠回りしない処分方法”を選ぶことが大切です。
マエダハウジング不動産では、広島エリアの古い家・空き家のご相談に対し、
◎現状のまま売る(古家付き土地)
◎解体して更地で売る
◎買取で早期に手放す
など、状況に合わせたご提案が可能です。相続や共有名義、残置物があるケースも、段取りを整理しながら進められます。
「この家は売れるのでしょうか?解体した方がよいのでしょうか?費用はどれくらいかかるのでしょうか?」 そのような段階からでも問題ありません。古い家の処分でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。


