NO.48  2021年広島の基準地価を見てみよう!

皆さん「基準地価」とは何か知っていますか? 「基準地価」とは、各都道府県が行う毎年7月1日の評価が9月20日頃に公表される土地の標準価格のことです。あくまでも土地の評価であり、建物があったとしても、その建物の評価は数値に入っておりません。評価の対象となるのは全国の約2万地点の「基準地」です。基準地価の評価方法は公示地価とほぼ同じですが、都市計画区域内以外も対象となり、公示地価では2人以上必要な不動産鑑定士が1人以上という点が違います。一部、公示地価と同地点での評価もあるため、1月1日時点の「公示地価」と7月1日時点の「基準地価」を比較することで、半年ごとの評価の動向を見ることもできます。

 このコラムを見ていただいているみなさんは、マイホームの購入を目的とした方が多いと思いますので、ここでは広島市内各区住宅地の基準地価の傾向を探って見ましょう。

 基準地の中で、最高値を付けている地点の結果を見てみると、中区の住宅地では「白島中町8-8」が41.9万円/㎡と前年比4%上昇し、東区では「牛田本町5丁目3-28」が30.0万円/㎡で前年比1.4%上昇。南区では、「段原3丁目8-19」が33.6万円/㎡で前年比1.8%上昇し、西区は「東観音町25-9」が23.0万円/㎡で前年比1.8%上昇しています。住宅地では、対前年変動率は0%から4.2%の幅で上昇していました。但し、唯一東区「福田8丁目24.-8」では対前年変動率が-1.5%と下降しました。

 この4区を取り囲む周辺のエリアを同様に見てみると、安佐南区の住宅地では、「祇園7丁目21-9-1」が15.6万円/㎡で前年比2%上昇し、安佐北区では、「可部1丁目7-24」が8.2万円/㎡で前年比2%上昇。安芸区では、「矢野東2丁目30-39」が13.8万円で前年比0.7%上昇し、佐伯区では、「海老園2丁目12-32」が18.9万円で前年比1.1%の上昇となりました。ここでも住宅地では、対前年変動率は0%から4.9%の幅で上昇していました。対前年変動率でマイナスとなっている地点は、安佐南区では、唯一、「沼田町吉山中河原2846番1」、安佐北区では、全12地点の内7地点、安芸区では全10地点の内4地点、佐伯区では全10地点の内3地点がマイナスとなっています。中心地4区外の周辺エリアでは厳しい評価となっている地域が広がっています。

 中心地の周辺エリアの住宅地で、ひときわ対前年変動率が上昇した地点が、佐伯区の「五月丘3丁目18-31」で、6.82万円となり前年比4.9%も上昇しており、市内全エリアの住宅地で一番の上昇率となっています。この地点は2030年頃全線開通予定であるアストラムライン延伸工事の通過ルート付近に当たり、五月が丘1駅(仮称)、五月が丘2駅(仮称)の2つの駅ができる予定の場所で、今までよりも格段に市内全エリアへのアクセスが向上することや、山陽道、中国自動車道への乗り入れに使う五日市ICへも近く、隣接するジ・アウトレット広島の商業施設があること、団地内に小学校と中学校があり、若年層の居住が促進され、団地の若返りが図られていることが要因と考えられ、将来への期待が高まっています。この需要を高める要素が、基準地価の上昇に繋がっていることが考えられます。

 このように「基準地価」や「公示地価」の変動を見ることで、街の様子を感じとったり、将来的な資産価値を予測したりすることも、マイホーム取得の大事なポイントです。皆さんの住んでいる街や、住みたい街の「基準地価」や「公示地価」を一度見てみましょう。

【参考】広島市公式ホームページ 〈地価の動向について〉

https://www.city.hiroshima.lg.jp/soshiki/126/5538.html