中古住宅の売却時にかかる税金
中古住宅売却で発生する税金の種類や節税する方法を徹底解説
 
中古住宅を売却する際には、売却益(譲渡益)が出た場合に税金が発生します。「なるべく税金を抑えて手元に残る金額を増やしたい」とお考えの方は多いのではないでしょうか。この記事では、不動産の売却時にかかる主な税金や、節税につながる特例制度について詳しくご紹介します。
■中古住宅売却で発生する税金
中古住宅を売却した際にかかる可能性のある税金は、主に以下の2つです。
1.譲渡所得税(所得税・住民税)
売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して所得税と住民税が課されます。 
 譲渡所得の計算は以下の通りです。 
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)
取得費には購入時の金額やリフォーム費用、譲渡費用には仲介手数料や登記費用などが含まれます。税率は所有期間によって異なります。
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 所有期間  | 
 所得税  | 
 住民税  | 
 合計税率  | 
| 
 5年以下(短期譲渡)  | 
 30%  | 
 9%  | 
 39%  | 
| 
 5年超(長期譲渡)  | 
 15%  | 
 5%  | 
 20%  | 
※特別復興所得税(所得税に2.1%上乗せ)も含まれます。
2.印紙税
売買契約書を作成する際に、印紙税がかかります。物件価格に応じて金額が異なり、以下は一例です。
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 契約金額  | 
 印紙税額(軽減措置後)  | 
| 
 1,000万円超〜5,000万円以下  | 
 1万円  | 
| 
 5,000万円超〜1億円以下  | 
 3万円  | 
■中古住宅の売却で節税できる方法
中古住宅の売却で譲渡所得が発生した場合でも、特例制度を活用することで税負担を大幅に軽減できる可能性があります。ここでは、中古住宅の売却時に使える代表的な節税方法を詳しくご紹介します。
1.3,000万円特別控除(居住用財産の譲渡所得特別控除)
もっとも利用されているのがこの特例で、マイホームの売却であれば最大3,000万円までの譲渡所得を非課税にできます。
【適用条件(一部)】
・自分または家族が住んでいた住宅であること(セカンドハウスや投資用物件は不可)
・売却した年の前年および前々年にこの特例を使っていないこと
・売主と買主が親子・夫婦など特別な関係でないこと
【ポイント】
・譲渡所得が3,000万円以下なら所得税・住民税は一切かかりません。
・所有期間に関係なく適用可能(短期譲渡でもOK)。
2.所有期間10年以上で使える軽減税率の特例
売却する住宅の所有期間が10年を超える場合には、さらに税率が軽減されます(3,000万円控除との併用可)。
【適用条件】
・譲渡年の1月1日時点で所有期間が10年以上
・居住用の住宅であること(現に住んでいなくても過去に住んでいればOK)
【軽減後の税率】
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 譲渡所得額  | 
 所得税  | 
 住民税  | 
 合計税率  | 
| 
 6,000万円以下の部分  | 
 10%  | 
 4%  | 
 14%  | 
| 
 6,000万円超の部分  | 
 15%  | 
 5%  | 
 20%  | 
3.買い替え特例(特定居住用財産の買換え特例)※2025年12月まで
売却したマイホームの代わりに、一定条件の住宅を買い替える場合は譲渡所得の課税を将来に繰り延べできる制度です。
【適用条件(一例)】
・売却する住宅の所有期間が10年以上
・譲渡価格1億円以下
・売却した年の前年または翌年に新居を取得すること など
【注意点】
・課税が「免除される」のではなく「繰り延べられる」制度なので、将来の売却時に課税される可能性あり。
・買い替え後の住宅も一定期間住む必要がある。
4.譲渡損失の繰越控除(住み替えで損失が出た場合)
マイホームを売却した際にローン残高の方が高く、譲渡損失が出た場合は損失分を他の所得(給与など)と相殺できる場合があります。さらに控除しきれなかった金額は最大3年間繰り越して控除可能です。
【対象になる例】
・マイホームを売却しても住宅ローンが残った
・給与所得などの他の所得がある
・新たな住宅ローンを組んで買い替えた など
これらの制度は、売却の仕方やタイミング、居住実態などによって適用できるかどうかが大きく変わります。また、複数の特例を併用できる場合とできない場合があるため、自己判断はリスクがあります。
■売却後の手続きと確定申告の必要性
中古住宅の売却が完了しても、そこで終わりではありません。売却益(譲渡所得)が発生した場合や特例制度を利用する場合には、確定申告が必要です。
適切な手続きを怠ると、後に追加の税金や延滞税が発生するリスクもあります。以下、不動産売却後に必要な手続きと、確定申告のポイントについて詳しく解説します。
1.中古住宅売却後に必要な手続きとは?
・売却代金の受け取り・残金決済
不動産の売買契約が完了したら、引き渡しと同時に残金を受け取ります。この時点で売却の対価を現金化する形になります。
・抵当権の抹消(住宅ローンがある場合)
住宅ローンが残っている中古住宅を売却した場合は、金融機関の手続きを経て抵当権を抹消する必要があります。司法書士を通して行うことが一般的です。
・固定資産税の精算
固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されますが、売主・買主間で日割り計算して清算するのが通例です。引渡し時にまとめて支払われる場合が多いです。
2.中古住宅の売却後に確定申告が必要なケースとは?
売却した年の翌年に、譲渡所得が発生した場合や、税制優遇制度(特例)を使う場合は、確定申告が必要です。
確定申告が必要となる主なケース
| 
 ケース  | 
 確定申告の必要有無  | 
| 
 売却して利益が出た(譲渡所得がある)  | 
 必要  | 
| 
 3,000万円特別控除など特例を使う  | 
 必要  | 
| 
 売却して損失が出たが繰越控除を利用する  | 
 必要  | 
| 
 利益が出ていない・特例も使わない  | 
 不要(基本的に)  | 
3.確定申告の準備に必要な書類一覧
確定申告をする際には、以下のような書類が必要になります。売却後すぐに書類を整理しておくことが重要です。
| 
 必要書類  | 
 内容  | 
| 
 売買契約書のコピー  | 
 売却価格の証明  | 
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 登記事項証明書  | 
 不動産の所有確認  | 
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 取得時の契約書  | 
 取得費の計算  | 
| 
 リフォーム領収書等  | 
 取得費に含められる場合あり  | 
| 
 仲介手数料等の領収書  | 
 譲渡費用として控除可能  | 
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 特例に関する証明書  | 
 住民票など(3,000万円控除などで必要)  | 
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 確定申告書・譲渡所得の内訳書  | 
 税務署または国税庁HPから入手  | 
4.確定申告の期間と提出先
確定申告の提出期間は、翌年の2月16日~3月15日頃(年によって変動あり)です。提出先は、売主の住所地を管轄する税務署になります。
5.税理士に依頼するメリット
不動産の売却に伴う確定申告は、通常の給与所得の申告に比べて複雑です。 
 税理士に相談すれば、節税対策のアドバイスや特例適用の可否判断、書類作成までサポートしてもらえるため安心です。 
■中古住宅の売却に関するご相談はマエダハウジング不動産へ
中古住宅を売却されたお客様の中には、 
 「確定申告は自分でできるの?税務署に行かないといけないの?」 
 「譲渡所得って何?計算方法がよく分からない…」 
 「特例を使えば税金がかからないって聞いたけど、私も対象?」 
 といった、売却後の手続きや税金に関する不安や疑問を多くお持ちです。
マエダハウジング不動産では、不動産の売却支援にとどまらず、売却後に必要な確定申告や節税対策に関するご相談にも無料で対応しております。詳しい話になりますと、税理士か税務署にご確認をお願いいたします。
中古住宅の売却では、適切な手続きによって不要な税負担を回避し、手取り金額を最大化することが可能です。 「売却後のことはよくわからないから不安…」という方も、どうぞ安心して私たちにお任せください。


