中古戸建てを売却するには?
―高く売るコツまで完全解説―
「中古戸建ては売却できるのか?」——所有している戸建て住宅を手放したいと考えるとき、多くの方が最初に抱く疑問です。結論から言うと、中古戸建てでも条件次第でしっかり売却できます。ただし、新築や築浅物件に比べて需要や価格の面で差が出ることもあるため、ポイントを押さえた売却戦略が重要です。
■中古戸建ては売却できるのか
中古戸建てでも売却は可能!
不動産市場では、立地や建物の状態、価格帯によって需要が大きく変動します。築年数が経過していても、次のような条件がそろっていれば売却は十分に可能です。
・利便性の高い立地(駅近・学校やスーパーが近い等)
・土地の形状や日当たりが良好
・リフォーム済または修繕履歴がある
・適正価格での販売
また、最近では「中古戸建てを購入してリノベーションしたい」というニーズも増えており、築古物件にもチャンスがあります。
<中古戸建ての売却事情>
現在、中古戸建ての売却は以前よりも需要が高まっている傾向にあります。理由は以下の通りです。
・新築住宅の価格高騰
資材費や人件費の上昇により新築の価格が上がっているため、コストを抑えたい層が中古住宅に目を向けています。
・中古×リノベーションの浸透
「中古を買って自分好みにリノベする」というスタイルが若年層や子育て世代に人気。
・立地重視の傾向
利便性の高いエリアでは築年数が古くても需要がある。
つまり、「状態がよければ売れる」ではなく、「立地と価格が合えば売れる」時代に移ってきています。
<地域による売れやすさ>
① 都心部(市街地・駅近エリア)
売れやすい理由
・利便性重視の需要が高い(交通、商業施設、学校など)
・土地の資産価値が高いため、築年数が古くても「土地」としての魅力が強い
・狭小住宅でもOKという層がいる(一人暮らし・DINKsなど)
注意点
・建物の状態より「立地・土地形状」が重視される
・解体前提のケースもあるが、更地にすれば売れるということも多い
ポイント
「建物の価値 < 土地の価値」になりやすく、価格設定と用途提案(リノベ・建て替えなど)が重要。
② 郊外・住宅団地・田舎エリア
売れる条件
・ファミリー層のニーズがある場所(学校・公園・駐車場付き)
・価格が安く、土地が広いため、ゆとりある生活を求める人には好まれる
売れにくくなる要因
・車が必須の立地や交通の不便さ
・近年、空き家が増加しているエリアは需要が限定的
・若い世代の人口が減っており、買い手がつきにくいことも
ポイント
・「建物の魅力や住環境」を丁寧に伝えることがカギ。
・ リフォーム済み・庭付き・駐車2台以上可などの強みを打ち出すのが効果的。
地域による違いのまとめ
地域 | 売れやすさ | 主な購入層 | 売却成功のコツ |
都心 | ◎ | 単身者・投資家・DINKs・一部ファミリー層 | 土地評価、立地PR、用途提案 |
郊外 | △~〇 | ファミリー層・リノベ希望者 | 物件の状態、価格設定、生活環境アピール |
田舎 | △ | 二拠点生活・移住希望者 | 価格重視・DIY提案・自然環境の魅力 |
どちらのエリアでも「ターゲットに合わせた戦略」が重要となってきます。たとえば、都心なら「立地×再建築向け」「収益物件としての可能性」、郊外なら「子育てしやすい間取り×価格のお得感」「リノベベース」など、物件の強みと地域ニーズを掛け合わせた売り方をすることが成約への近道です。
■中古戸建てを少しでも高く売るためのコツ
① 適正価格の見極めが最重要!「高く売る」と「売れ残る」は紙一重です。高く売りたい気持ちは当然ですが、「相場より明らかに高すぎる価格設定」は、内見すら入らない原因になってしまいます。
<コツ>
・周辺エリアの売出価格や成約価格を調査する
・不動産会社から根拠ある査定書を取得し、客観的に判断
・「〇ヶ月以内に売りたい」など希望スケジュールも考慮して価格設定を決定
② 見た目で損しない!ハウスクリーニングとちょっとした修繕
第一印象が悪いと、価格交渉の材料にされがちです。 「古くても清潔感がある家」は、高評価につながります。
<コツ>
・水回り(浴室・キッチン・トイレ)を重点的に清掃
・壁紙の破れや床のきしみなど、1万円~数万円で直せる箇所は補修しておく
・室内が明るく見えるよう、照明やカーテンを調整
③ 不要品処分で「広さ・生活感のなさ」を演出
家具や荷物が多いと「狭く見える・古さを感じる」印象になります。 モデルルームのようなスッキリ感が理想です。
<コツ>
・内見前にはできるだけ物を減らす
・使っていない部屋は空きスペースとして強調
・不用品は早めに処分 or 一時的にトランクルーム利用もあり
④ ホームインスペクション(建物状況調査)を事前に行う
買い手側が心配する「見えない劣化」や「補修費用の発生」への不安を解消でき、信頼を得やすくなります。
<コツ>
・第三者機関による住宅診断レポートを用意
・問題が見つかっても、事前に補修 or 売値調整の根拠にできる
⑤ リフォーム履歴や点検記録があるなら「アピール材料」に!
中古物件の安心材料となるのが「きちんと手をかけてきた家」という印象です。
<コツ>
・キッチンや浴室のリフォーム時期と内容
・シロアリ、屋根、外壁などの点検・補修履歴
・書類や写真があれば、購入希望者に開示して信頼感UP
⑥ 魅力的な物件写真&販売資料の準備
「内見するかどうか」はネットでの第一印象で決まります。 写真やキャッチコピー、間取り図の見せ方も重要です。
<コツ>
・不動産会社にプロのカメラマン手配を依頼できるか確認
・生活感のない状態で撮影(晴れた日に撮るのも◎)
・「〇〇中学校まで徒歩○分」「南向きの明るいLDK」など、物件の魅力を言語化
⑦ 中古戸建ての売却実績が豊富な会社に依頼する
不動産会社によって、売り方・戦略・提案力は大きく異なります。
<コツ>
・「戸建ての売却」に強い会社を選ぶ
・仲介だけでなく、リフォーム提案やターゲット設定まで相談できるかがポイント
・複数社に査定依頼し、対応の丁寧さや売却戦略を比較検討するのもおすすめ
上記のように、中古戸建てを少しでも高く売るには、
▶「見た目・安心感・情報提供」をしっかり整えること
▶「エリア相場に合った価格とターゲット層を設定」すること
が大切です。
■中古戸建ての売却価格はどう決まる?
1.土地の立地と環境は価格に直結する
売却価格を左右する最重要要素が土地の立地です。駅からの距離、周辺の商業施設や教育環境、道路付けなどが評価されます。特に以下のような立地は高く評価される傾向にあります。
・駅徒歩圏内(特に10分以内)
・スーパー、病院、学校などの生活利便施設が徒歩圏にある
・南向きで日当たり良好な整形地
たとえ建物が古くても、土地の条件が良ければ高値での売却も可能です。
2.土地の面積・形状・接道条件も見逃せない
土地の広さや形も売却価格に大きく関わります。 整った四角い土地や道路に面した間口の広い土地は、建て替えや活用がしやすいため人気があります。また、接している道路の幅や方角も重要です。再建築ができない土地や、狭い道路に面している場合は価格が下がる要因になります。
3.建物の築年数と状態はどう評価される?
中古戸建ての場合、築年数によって建物の価値は減少します。 木造住宅の場合は、築20年を超えると建物評価がゼロになるケースも少なくありません。ただし、定期的なメンテナンスを行っている、リフォーム・耐震補強がされている、シロアリや雨漏りなどの瑕疵がない、といった場合には、建物のプラス評価が期待できます。 建物の状態を正確に伝えるために、ホームインスペクション(建物状況調査)を活用する売主も増えています。
4.周辺の「売出し価格」「成約事例」も参考にされる
不動産会社は、近隣エリアで売り出されている物件や、過去に実際に売却された物件の価格データを基に、査定価格を算出します。つまり、似たような条件の中古戸建てがいくらで売れたかは、あなたの家の価格にも影響を与えるということです。周辺に競合物件が多い場合は、相場より少し価格を下げて目立たせる戦略をとることもあります。
5.市場の動き(タイミング)も価格に影響
不動産市場は常に動いており、タイミングによって売却価格が変動することもあります。
・春や秋は転勤や進学に伴う需要が増える=売れやすい時期
・景気の変動や住宅ローン金利の動きも、買い手の動向に影響
・地域の再開発やインフラ整備が進むと、将来的な価値もアップ
「今が売り時かどうか」は、信頼できる不動産会社に相談して見極めるのが賢明です。
中古戸建ての売却価格は、「土地の価値」と「建物の状態」、そして「市場の動き」によって決まります。 特に立地条件が良ければ、築年数が古くても高く売れる可能性は十分にあります。まずは、自分の家の価値を知ることから始めましょう。
過去のコラム記事でも詳しく解説しておりますので、そちらもご確認ください。
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